日本で人気の外国名、「アンナ」や「アン」を子供に名付けたいけど、海外ではどんなイメージを持たれているのだろう?
海外では今も人気の名前なのだろうか?
英語の「アン」のつづり「Anne」や「Ann」の違いは?
という疑問を持っているあなたにおすすめ!
今回は、海外の中でも、アメリカでの「アンナ・アン」について特に詳しくお伝えしていします。
名前のイメージ、人気ランキングもたっぷりご紹介しますので参考にしてくださいね。
1.海外でアンナという名前の意味・由来・発音
アンナは、「Anna」あるいは「Ana」と書きます。
今は「Anna」の方が人気。
「Anna」は「アンナ」のほかに「アナ」とカタカナ表記されることもあります。「Anna」の日本語カタカナ表記は「アンナ」ですが、英語の発音は「アナ」に近いです。
例えば「アナと雪の女王」の登場人物「Anna」は「アナ」ですね。
カンナハ(ヘブライ語で「恩恵」や「恵」の意味)に由来しています。カンナハのギリシャ語形がアンナ。
アンナ(Anna)は聖母マリアの母の名前です。
2.海外でアンという名前の意味・由来・発音
「アン」は「Anne」または「Ann」と書きます。
女性名として使われますが、オランダ、フランスでは男性の名前としても使われていた時期もありました。
発音は、少しのばし気味のアーンです。
意味は「アンナ(Anna)」と同じです。
・英語でセントアン(St.Anne)とは、聖母マリアの母親アンナ(Anna)のこと
・フランス語では「Anne」を「アンヌ」と発音
・ドイツ語では「Anne」を「アンネ」と発音
・アンネの日記の著者はAnne Frank/アンネ フランク
・カナダ人L.M.モンゴメリの小説、赤毛のアンは「Anne of Green Gables」
主人公の名前は「Anne Shirley /アン シャーリー」
2-1「Anne」と「Ann」の違い
簡単に言えば、Ann(アン)は英語感がつよい名前です。
Anne(アン)は、もとはAnna(アンナ)のフランス語版です。このAnne(アン)という名前は13世紀にフランスからイギリスへ渡りました。Ann(アン)は英語版のAnne(アン)です。参考:behind the name
Anne(アン)もAnn(アン)も14、15世紀頃によく使われるようになりましたが、19世紀頃はAnn(アン)の方が人気がありました。
2-2王族が使う「アン」と庶民が使う「アン」
王族と庶民で「アン」の綴りが違ったという説があります。
イギリスでは王族は「Anne」、庶民は「Ann」だったそうです。
赤毛のアンの小説の中で、主人公のアンは「私はアン、 Eをつけて呼んで」というセリフがあります。
アンは「Ann」というスペルの方が平凡で「E」がつく方がおしゃれで立派に見えると思っていました。
また、赤毛のアンの小説をもとにしたテレビドラマ『アンという名の少女』の英語の題名は「Anne with an E」。
直訳すると「Eがついたアン」です。
「Ann」より「Anne」の方が高貴なイメージだったのでしょう。
英語の名前はスペルによって印象が違うので人それぞれ好みがあります。
Anne(アン)を好む人の理由は最後に「e」があると完了した感じがする。おさまりが良いなど。
ミドルネームには短いAnn(アン)の方が好まれる傾向にあります。
2-3 Anne Ann の愛称は?
英語の人名には短縮形というのがあり、短縮形は愛称とは異なります。
短縮形の例
Elizabeth(エリザベス):Liz(リズ)Beth(ベス)など
Robert(ロバート):Bob(ボブ)など
Anne(アン)Ann(アン)の短縮形はAnnie(アニー) Nan(ナン) Nancy(ナンシー)などです。
調べてみるとTannekenという短縮形もありました。あまり知られていない名前だと思います。
参考:ヨーロッパの中世名前辞典Dictionary of Medieval Names from European Sources
Ann(e)の短縮形がNancyやTannekenと元の名前より長くなっていますので理解しにくいかもしれませんが、言いやすく聞き取りやすくなっています。
Nancyは18世紀頃から短縮形ではなくそのまま名前として使われるようになりました。
このように短縮形がそのまま正式な名前になることもあります。
3.アメリカでの「アンナ(Anna)」のイメージ
米社会保障が1880年から1890年迄の10年分を集計した名前ランキングでは、アンナは第2位!
120年前とても人気の名前でした。
今名付けると、伝統的で優しいイメージや、上品で洗練されたイメージになります。
ここ10年、トップ5位の名前に全て「Anna」の様に最後に「a」がついています。
2019年ランキングでも、トップ10位のうち7つ
1位 Olivia (オリビア)
2位 Emma (エマ)
3位 Sophia (ソフィア)
4位 Ava (アヴァ)
5位 Isabella(イザベラ)
7位 Amelia (アミリア)
9位 Mia (ミア)
Anna(アンナ)を含めて、最後に母音の「a」がつく名前は人気で、女性らしさを感じますね。
4.アメリカでの「アン(Anne)」のイメージ
アメリカで出版されている、赤ちゃんの名前本「complete name book of baby names」によると、
アン(Anne)は、「落ち着いた女性のイメージがする名前」にグループ分けされています。
アンのイメージ
・母親像
・愛情があり厳格
・女らしく自制心がある
・働き者で真面目
メアリー(Mary)イブ(Eve)ジェーン(Jane)などもそのグループに入っています。
真面目な印象を与えるので、ビジネス社会で働くときに有利ではないかと言われています。
英語圏のネイティブにAnn Anne Annaのイメージを聞いてみました。
これらの名前は伝統的で洗練されたイメージ。私が思う伝統的というのは礼儀を知っていて、親切で、思いやりがある人。この名前は趣味が良くて気品があってドラマチック過ぎない,自分を誇示したりひけらかしたりしない人を意味していると思います
5.アメリカで、アン(Anne・Ann)の人気は?
アメリカでは今、古風な名前に人気が集まっています。
奇抜過ぎず、響きが美しい、新鮮味もある特別な名前・・・を探すうちに、古風な名前が注目をあびてきたようです。
- ビンテージネーム
- アンティークネーム
- レトロネーム
- レトロクール(レトロでかっこいい)
等の言い方をされています。
しかし「古ければよい」というわけではありません。
日本でも今古風な名前が人気ですが、古風は古風でもちゃんと「今どきの可愛さがある古風な名前」が人気ですよね。
例えば「和子」や「春子」が今人気なのではなく、「和花」や「小春」など・・
では、「アン(Anne・Ann)」は、どうなのでしょうか?
約120年間の人気の変化をみてみましょう。
2019年のランキングは
アン(Anne)569位
アン(Ann)981位
引用元:social security popular names in 2019
「アン(Anne・Ann)」は素敵な名前ですが、アメリカでは今はあまり選ばれていないようです。
Annは一時ミドルネームで人気の時期もありましたが最近はミドルネームでもあまり使われていません。
5-1 ヨーロッパなどでの、アンという名前の人気は?
現在でもAnne(アン)という名前が人気の国はオランダです。(2019年63位)
フランスは1900年~1983年までの長い間30位以内に入る人気の名前でしたが現在は500位以下。
ノルウェーでも、1945年~1983年まで1位又は2位と大変人気でしたが現在は100位以下。
一時期人気はあったもののカナダ、オーストラリア、デンマーク、ニュージーランド、スコットランド、ドイツも100位にはいっていません。
では、「アンナ(Anna)」はどうでしょうか?
6.アメリカで、アンナ(Anna)は流行に左右されない名前?
「アン(黄・緑)」と「アンナ(赤)」を比較してみましょう。
「アンナ(Anna)」は現在でも選ばれている名前です。
104位以下に下がったことがない、安定的な名前なので、流行に左右されない名前といえるでしょう。
次は、現在アメリカで人気が高い名前とも比較してみましょう。アンナ(赤色)の安定感がよくわかります。
エラ(Ella) イザベラ(Isabella) エヴァ(Ava) ソフィア(Sophia)との比較です。
1000位以下になるとデータがないので1000としています。
グラフからわかる様に、アンナと比較した4つの名前は「一時期忘れ去られていたが、ある時期を境に急上昇し一気に返り咲いた名前」です。
・エラ(Ella)
1990年831位→2019年13位
・イザベラ(Isabella)
1980年1000位以下→2019年5位
・エヴァ(Ava)
1990年892位→2019年3位
・ソフィア(Sophia)
1950年848位→2019年4位
特にイザベラ(Isabella)はおよそ50年間もの長い間800位~1000位以下でした。
これらの名前と比べると、アンナ(赤色)は常に100位前後をキープしています。
いつの時代でも安定的に人気なので、時代遅れになる心配が少ない名前と言えるでしょう。
7.アメリカ国内地域別 アンナ(Anna)名前人気ランキング
アメリカ合衆国は米国国勢調査局によって大きく4つの地域に分けられ、さらに9つに小さく分けられています。
そして、日本より大きなアメリカでは、地域ごとに名前の好みも違いがあり、特定の名前に
例えばMae(メイ)という名前がありますが、南部のイメージが強いそうです。同じメイでも(May)というスペルだとそうでもありません。
「アンナ(Anna)」の人気を、地域別(北東部、中西部、南部、西部)にみていきましょう。
米国社会保障庁が調べた「州別名前ランキング」によると、
2019年度「アンナ(Anna)」という名前が1番多い州は、ペンシルベニア州でした。
北東部の大西洋岸中部に位置する州です。
では、一番少なかった州はどこでしょうか?
ワースト15の州を表にまとめました。
最下位の州は、テキサス、モンタナ、メイン、ネバダ、アイダホ、ニューメキシコ、ハワイ。
つまり現時点では、アメリカ国内で比較すると、西部の方が比較的人気度が低いようです。
4-1 ヨーロッパなどでの、アンナの人気は?
Annaという名前はヨーロッパなどでも大変人気です。
公開されている最新ランキングです。
オーストリア 2018年 1位
ハンガリー 2019年 2位
ロシア 2019年 3位
チェコ 2016年 3位
ベルギー 2019年 8位
オランダ 2019年 8位
スイス 2019年 10位
イタリア 2018年 10位
デンマーク 2019年 10位
ドイツ 2019年 11位
アイスランド 2016年 11位
フランス 2019年 12位
アイルランド 2019年 19位
ノルウェー 2019年 20位
※最新データを集めています。2016年のものもあります。
多くの海外の国で人気なのがわかりますね。
Anna(アンナ)という名前はアメリカと同様、ヨーロッパ等の国でも、伝統的で流行に左右されない安定的に人気の名前です。
海外6か国の過去の順位まとめを見るとわかります。
チェコ
この80年間50位以内
ノルウェー
この75年間72位以内
オーストラリア、ニュージーランド、スコットランド、カナダ
この50年間100位以内
ヨーロッパ等の人気ランキングを別記事でもう少し詳しくまとめています。
興味があれば参考にしてください。
8.まとめ
アンナ(Anna)について
・「恩恵」を意味する。
・優しく上品で洗練されたイメージ。
・日本はもちろん、アメリカでも安定的にランクインする名前。
・アメリカでは流行に左右されない安定的に人気な名前。
・アメリカ西部の州では人気度が低い傾向。
アン(Anne)について
・「恩恵」を意味する。
・アメリカでは落ち着いた母親をイメージ。
・日本では人気だがアメリカでは、現在は選ぶ人が少ない。
伝統的な名前なので、独創的な名前が好きな方には不向きでしょう。
現在日本では「アン」や「アンナ」という響きに、「杏」という漢字を使う人が多いようです。別記事で「杏」がつく名前を特集しています。こちらもどうぞ。
参考:complete name book of baby names written by Lesley Bolton published by sourcebook
参考:The Baby Name Wizard written by Laura Wattenberg published by Harmonybooks
出典:米社会保障庁(SSA)